http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090114-00000077-san-int
1月14日8時1分配信産経新聞フランスでもご多分に漏れず不況風が吹いているが、文化部門だけは盛況だ。ルモンド紙の発表によると、ルーブル美術館の2008年の入場者数は前年比20万人増の約850万人。ポンピドーセンターも00年の改装以来、最高の約275万人で前年比6・3%の増加だ。全国約1200の公立美術館も軒並み前年比2〜3%増で、08年の総入場者数は07年の5200万人を軽く抜きそうだ。確かに名作、傑作の鑑賞はお金がかからない割には豊かな気分になれる。昨年10月中旬に始まったシャンゼリゼ大通りの展示場、グラン・パレの「ピカソとその仲間たち」の開始当時の行列平均時間は1時間半、1日の平均入場者は約5200人だった。12月中旬に閉幕したが、最後まで寒さの中、じっと我慢の子の行列の長さは変わらなかった。ベルサイユ宮殿で昨秋始まったアメリカの人気作家、ジェフ・クーンスの彫刻展も大人気だ。年末に終了の予定が1月までずれ込んでいる。「太陽王」と呼ばれ、ルイ王朝の絶頂時のルイ14世の居城に展示された作品は12メートルを超える作品も含めて16点。絢爛(けんらん)たる王や王妃の居室はもとより、第一次大戦後にドイツとのベルサイユ条約が調印された豪勢な「鏡の間」などを超モダンな作品が占拠するという対照の妙が人気の秘密だ。ルイ14世の子孫が、「一族の名誉とフランス文化を棄損した」と撤去を訴えるなど話題にも事欠かない。仏国立映画連盟が1月7日に発表したところによると、昨年の映画館の入場者数も前年比6・7%増の1億8880万人。しかも、通常は入場者数の上位を占める米映画を抜いて仏映画が軒並み好調だったという。私も昨年、大ヒットした「ようこそ、シティの国へ」を観賞したが、仏映画を見たのは久しぶりだった。仏北部なまりとフランス的人情話がテーマで、仏映画にありがちな変に気取ったところがない作品で、大笑いさせてもらった。米国では1929年の大不況時に映画館が満員になったそうだが、同じ現象か。喜劇でも悲劇でもアクション、アニメでも内容はどうあれ、世知辛い現実を一時でも忘れ、別の世界に浸ることができれば御の字というところか。オペラは映画の入場料の10倍以上する。それでも地方のオペラ劇場を含め、どこも満員という。昨年暮れにバスチーユ・オペラ座でワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を鑑賞したが、確かに5時間以上の上演にもかかわらず切符は完売だった。ここも通常と異なり、観光客より地元フランス人の方が多く、しかも女性たちがそろって、おしゃれをしていた。彼女たちの放つ馥郁(ふくいく)たる香水の香りが場内に漂い、なんとも贅沢(ぜいたく)な気分にさせられた。今年は大寒気の到来で積雪による被害が出ているせいもあるが、通常は冬になればスキー場に出かける人たちも、今冬は展覧会や映画館などスキーより経済的な娯楽を楽しんでいるのかもしれない。
[引用元:Yahoo[海外総合(産経新聞)]]
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